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変換なしの雑食夢

ran

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35 佐和山見物編 3

「ここはまだ佐和山城ではないのですか?」
「ああ」
「まだ、大阪よ。と言っても京に入るがな」
「いつも馬で走り去るから…場所を気にしたことなかったです」
「その上ぬしは上方より中国方面ばかり故。」
「速度を上げるか?」
「いや、良い良い。ゆるりと行こう。進軍ではない故」
「見てください、石田様」
「ん?」
「今日は天気が良くてお空が綺麗」
「っ」
「ひひひ」
「あの鳥は何というのでしょうね?」
「ん…」
「綺麗なものです」
「ああ」
「さて行こう。今日は京で宿泊よ。左近が迎えに来よう」
「…そうか」
「京ですか。」
「ん?何か問題があるか?」
「いいえ。いえ、あの」
「やれ、姫」
「今日には梅の名所が、あると…」
「名所?」
「!ごめんなさい。あの」
「そこなら行く予定にしている」
「?!」
「明日よの。やれ、姫?」
「石田様、大谷様。」
「?」
「嬉しいです。ありがとうございます」
「…」
「ひひひ。良い良い。では歩くとしよう。本に輿を返して良いのか?」
「ええ。私は。石田様はよろしいですか?」
「…好きにしろ!」







からんころん





夕立前に入れていて良かったですねと姫が笑うのでそうだなとそっけなく返す自分が情けなくなる。ふと気がつくと雨に濡れていて拭くべきか否か思案して手拭いを押し付ける。


「?」
「拭け」
「え?ああ。ありがとうございます」
「…化粧が」
「はい」
「のいてしまうは良く、ないだろうから。自分で拭け」
「はい。あ、でも」
「何だ」
「手拭いに」
「構わん。風邪をひく」
「…」
「ええい!化粧がのいても知らんぞ!」
「え?あの。ん!」
「…」
「石田、様」
「…何だ」
「楽しいですか?」
「?」
「半月も父上の側に」
「半月?」
「え?」
「半兵衛様からは春花見をするからそれまではゆっくりさせるようにと。」
「は?」
「大体、半月までなら正月前だ。その頃一度出仕して再びこちらへ参る。」
「…そんなに開けて…仕事は?」
「心配ない。半兵衛様が采配してくださる。」
「…」
「今はゆっくり休めばいい。よく」
「?」
「体調を崩していたから。」
「!」
「皆、心配している。」
「そう、ですか」
「ああ」
「すいません」
「何がだ」
「私のせいでお手を煩わせて」
「?」
「石田様?」
「私は、馴れ合いは好かん」
「存じ上げております」
「だが、」
「?」
「今回は楽しみにしていた」
「!」
「私も休むようにと言われている。だから、休むぞ」
「…はい」
「にしても、左近め。姫様をこのような宿に留めるとは」
「石田様。口調」
「…刻んでやる」
「ふふふ。私は楽しいですよ。ここは皆で泊まるのですね。では今日は久しぶりに川の字になって休みましょう」
「…は?」
「違うのですか?」
「そう、だが」
「では布団をひいて」
「姫!」
「?」
「その様なこと!左近に」
「石田様」
「左近にさせろ!!!!!」
「にしても、大谷様も左近様も遅いですね。まだ見つからないのかしら?」
「今頃命乞いをしているのだろう」
「?」



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