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変換なしの雑食夢

ran

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33

「湯治…ですか?」
「うん。秀吉と話してね。君の骨折もあるし吉継くんの病気も合わせて湯治に行っておいで」
「年末年始の準備は」
「そこは大丈夫。張り切った三成くんが済ませてしまったよ。でね、一層年末年始行っておいでよ。此処にいても気忙しいし」
「…待ってください。どのくらい行かせようとしているのですか?」
「半月?」
「…」
「三成くんの居城の近くにいい温泉があるんだよ。船に乗ればすぐだから。そこを拠点に色々行っておいで」
「いや。あのですね」
「非公式だし?」
「…ご自身の姉君とは仲良くされているようで」
「ふふふ。行って来なよ」
「…」
「女装で」
「…非公式ですからこのままで」
「えー」
「大体」
「三成君は楽しみにしてたよ」
「え?」
「だから行っておいで」
「…」






女装なんだから一々気にしなくていいじゃない余計な一言付きで返される。ほんとうにこの男は!
では日取りは追って知らせるよと言われる頃には外でそわそわしている2人の気配が気になってくる。くくくと笑うとこから気がついているのは私だけではないらしい。



「入っておいで」
「申し訳ございません!」
「いや、良いよ。姫は行くそうだから」
「は!」
「…非公開だから平素のままでいい」
「しかし」
「ひひひ、三成」
「わかっている。しかし」
「湯治かぁ。初めて行くから…治部や」
「は」
「ついでに領内も見てみたい。故に平素通りで頼むよ」
「はいっ」
(扱いが慣れてきているなぁ)
「にしても本当にそのままで行く気?」
「何か問題でも?」
「いやねぇ。男装させてるって言えば物凄く外聞悪いでしょ?」
「…あなたが言うのですか」
「根に持つよね」
「…ははは」
「やれ、姫。落ち着きゃれ」
「刑部…そうだな。初願貫徹してこのままで行こう」
「ひひひ。すまぬなぁ、姫」
「?」
「太閤殿からの命よ。女性の装いで参るようにと。」
「父上に申し上げてくる。」
「それを聞いて、我が許嫁がいたく喜んでな。」
「…」
「旅装束を作ってしまった。やれ困った、こまった」
「刑部…」
「流石のヌシもあれの贈り物を突き返すことはできぬだろうし、何よりで我は素直故…口が滑ってはいかぬしなぁ」
「っ!治部」
「?」
「いや、そなたも嫌であろう?」
「いえ、何かありましたらお守り致します。」
「…ズレている。父上がそう申したと言ってもだ。なぁ、治部や」



そう言ってもキョトンとしているものだからため息まじりにあいわかったとだけ伝えるのだった





からんころん 番外編



「わかりにくいけど。三成君はかなり喜んでいるよね」
「姫らしい格好をさせたいと今日呉服屋で悩んでおった故。」
「え?そうなの」
「…名を貸してもらうのに骨が折れたおれた。」
「で、君が最後の切り札を切った理由は」
「はて、何のことか」
「…この間のは気づかなくて嘆いていたみたいだね」
「ひひひ。切に願っておったのにあの有様よ」
「まぁ秀吉と僕からのご褒美だよ」
「まあ、何の進展もなかろうがな」

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