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変換なしの雑食夢

ran

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ある女の話 3

「あの方は」
「あ?ああ…貴様の主人である太閤殿下のご息女だ」
「え?!」
「とは言っても今はいいおもちゃだがな」
「…おもちゃ?」
「殿下というより竹中様のお策だろうが…年端もいかない女に男二人っていうのはなんともそそるだろう?」
「え?!は?」
「何はともあれ子を生ますために飼ってる玩具みたいな姫さんだよ。見目は母親似で別嬪なんだけどな。あー…俺もそういう女欲しい」
「ちょっ!」
「まぁご懐妊中だからそれも一旦休憩だけどな」
「休憩?」
「あんたの上司の石田様なんて会いにすら行ってねぇらしいぜ」
「三成様が?」
「その程度のもんだろ?まあお偉いさんの結婚ってそういうもんだろ?」









「柳」
「?」
「ひひひ」
「吉継さん」
「甘味よ。食べしゃれ」
「んー…半分こ」
「あいあい」
「美味しいね」
「腹の子は順調か?」
「んー?多分」
「なら良い。」
「吉継さんもマメだね」
「?」
「産まれるまで来なくてもいいんだよ?」
「???」
「現に三成さんは来ないもの。普通の夫婦じゃないし。…そんな時間あるなら休んでたほうが良くない?」
「別段。眠たければここで寝る故」
「ふふふ」
「あれとて来たいのだがなぁ。やれ、贈り物のみ預かって来た」
「ありがとうございます」
「浮かぬ顔よな」
「そう?少し悪阻がきついからかな?」
「…何か食べられるものはあるか?」
「ん?…ふふふ」
「?」
「やっぱり吉継さん優しい」
「我の優しさはごく局所的よ」
「三成さんだけにね」
「と主によの」
「…」
「柳?」
「ありがとうございます」
「ひひひ。少し横にならしゃれ」
「ん」
「今日は我が泊まる故。安心して寝ておれなぁ」
「ん…」
「我も少し寝る」
「吉継さん」
「嫌か?」
「うんん」
「良い子よな」
「大谷さんの匂いがする」
「主は陽だまりの匂いよ」
「日向ぼっこしてたから」
「確かにいつもは香の匂いがするなぁ」
「吉継さんからは墨の匂いがする」
「ひひひ」
「仕事忙しい?」
「今はなぁ。ただ」
「?」
「主と共にある時間を作れぬこともない。心配しなしゃるな」
「ふふふ。」
「?」
「大好き」
「さようか」





ある女の話





「…」
「やれ、三成」
「寝て、いるか?」
「ひひひ。添い寝をしたらすぐに寝た」
「そうか…痩せたな」
「心細かろうに。腹は出て来た分不思議よ」
「どちらの子か」
「我か主の子よ。まぁどちらでも一緒よな」
「それはそうだ。」
「寂しがっていた」
「すまん」
「主はまじめよな…父親になるのが恐ろしいか?」
「私の母は私を産んで死んだ。…それが恐ろしい」
「故に側にいるのよ」
「…時折来る」
「今ここで寝ておれば良い」
「…刑部」
「仲良く三人でお昼ねよ。オヒルネ」

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ある女の話 2

「…柳」
「あ、二人ともお帰りなさい」
「これは、一体」
「足枷つけられました」
「?!」
「半兵衛さんに」
「半兵衛様にか?」
「また、何を仕出かした?」
「子猫」
「?」
「見つけてね、そこの垣根を超えちゃったの。一歩だけだったけど…されど一歩ね。折檻されてこうなりました」
「馬鹿者が」
「馬鹿だもの。仕方ありませんよ」
「にしても苛烈よな。…足をみせりゃれ」
「大丈夫です」
「それは我が決める」
「薬箱をとってくる。」
「いい、です!また」
「「また?」」
「半兵衛さんに怒られる」



左様かといって吉継さんは為溜息をついて私の脚を撫でる。三成さんは納得したようなしないような顔をして横に座りむと顔をまじまじ見ては眉間にしわを寄せる。
半兵衛さんは私が嫌いだから仕方がない。この座敷牢のような離れに煤けた関係。半兵衛さんが考えた父の御代を強固にする方法は悲しいかなまだ吉報の知らせがない。役立たずとか色々言われたなぁ。と思いながら手元を見る。腕も青アザだらけで気持ちが悪い。



「ごめんなさい」
「?」
「私、馬鹿だから。半兵衛さんに怒られてばかりで。三成さんも吉継さんも腹がたつことばかりだと思うけど…」
「別に否はない」
「ひひひ。嫌なら来ぬよ。」
「う…」
「さて、と。本にどうしたものか。主の痣はちと酷い」
「打ち身の軟膏を塗ればいいか?先達て持たせてくれたのかある。あれなら構わないだろう」
「口も開けしゃれ。ああ。切れておったか。」
「あい」
「この口に今日は無体できぬなぁ」
「?」
「布団をひく。少しよれ」
「大丈夫。…そのために来たんでしょ?」
「ひひひ」
「傷だらけの女など萎える」
「?!」
「これ、三成。言葉が足りぬ。主の身を案じておるのよ」
「…当分内地だ。ここにいる時間もある。今日は寝るぞ」
「我とて疲れた。今日は休むが吉よ」
「…はい」
「そう悄気たり致すな」
「柳」
「?」
「寝るぞ」
「はい」
「やれ、眠たや眠い」








ある女の話







「…」
「陽の光で見ればなんとまぁ酷い有様よ」
「何故、半兵衛様は」
「ん?知らぬのか?」
「刑部」
「これの母者は賢人の狂愛によってこれを産み憎悪によって殺されたのよ」
「…は?」
「生まれてからずっとこの狭い離れでひとりぼっちよな」
「…」
「その娘は我らが嬲り孕ませ…用済みになれば殺すのであろうな」
「まさ、か」
「故の賢人よな。ひひひ」
「ん…」
「我らも多忙故ここに詰めてやれぬ。許せ」
「よし、つぐさん?」
「しばし眠れ。」
「ん」
「怖い夢は我らが滅そう。なぁ。三成」
「あ、ああ」
「みつ、なりさん」
「っ」
「欲情致すな」
「わかって、いる!」
「?」
「寝ていろ!」
「ん…」
「!!」
「寝たか…三成よ」
「わかっ、ている」
「情をあまりうつしゃるな。主は情深い故」
「どういう意味だ」
「…そのままの意味よ」

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