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変換なしの雑食夢

ran

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18

「姫様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」



小太郎がすごい顔でこちらを見て外を指差す。1日の大半を任務で過ごす小太郎が私の影から出てくるのは、休息のためか包帯を巻き直すためか。はたまた緊急事態の為かの三択である。今回は一番ややこしい、緊急事態らしいので、私は苦笑する。仕方が無い。相手が相手なのだから。
何処ぞの紅青年ばりに叫ぶで無いわと思いながら外を見ると声の主がいる。やはり、この声は間違えられんなぁと呟けば小太郎がぶすりとするので再び苦笑するしか無い。ただし目下は騒音をどうにかせねばなるまい。


「治部」
「姫様」
「やれ、喉を痛める。叫ぶで無いわ。」
「…お願いでございます。早く、大阪城へお帰りください」


取り敢えず如何したものかと考えて窓枠に手をかける。飛び降りようとした瞬間小太郎に捕まってしまった。大丈夫なのに。
ふわりと治部の前に降りると治部がいる。青白く細いのにギラギラしている。…またこいつ。食べていないな。



「姫様!」
「良い、頭を上げろ」
「いいえ…あげれません」
「まだ盛大に痩せたなぁ。治部食事は?」
「う…」
「休息は?」
「…」
「沈黙で答えるな。治部!」
「申し訳ありません」
「…お前はいつも私の忠告を聞かぬなぁ」
「そういう訳では」
「攻めに来たか?」
「いえ、お迎えに!」
「断っただろう」
「ですが、」
「治部よ。私はもう豊臣の人間では無い。只の女だ」
「姫様は姫様でございます!」
「私がそのまま城に残っていたら死んでいただろう。もう死んだと思え」
「!」
「もう此処には来るな。」
「嫌で、ございます。」
「治部。」
「彼方様がいない城は味気ないのです」
「はぁ?」
「秀吉様がいて半兵衛様もいる。刑部も家康も。しかし」
「?」
「貴方様がいらっしゃいませぬ。」
「そりゃあ死んだようなものだからな」
「違います」
「治部?」
「……御許可を」
「何のだ??」
「貴方に懸想する、…きょ、かを」
「…」
「貴方様が初めて私を打ち負かした折より忠誠を誓いました。そして怪我を気遣っていただきました時より、貴方様を」
「治部」
「お慕い申し上げております」






からんころん






「…」
「ですのでどうぞお戻り下さい」
「…」
「姫様?」
「こ、太郎」
「っ姫様?!何故です!!!何故お逃げに?!」

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