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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝

「夫人」
「わっ。ミュラー中将!助けて!!!」
「何故ミッターマイヤーの絵は描けて俺の絵は描けないのだ。夫人の絵まで描いたのだろう!」
「それはお会いしたミッターマイヤー夫人がとても愛らしい方でむさ苦しい軍人ばかり描いていた私のやさぐれた心を癒して下さったからです」
「むさ苦しいだと?!」
「そりゃ、こんな可愛らしい奥さんならずっと持っていたい気持ちわかんなくも無いなって。 」
「貴様」
「大体私はあなた嫌いだし貴方も私を嫌いでしょう!」
「別段嫌っておらん!」
「叫んだり追いかけているのに?」
「?」
「真逆…」
「彼の通常運転ですよ」
「最悪だわ」



そういうとげっそりとした表情のまま背中に隠れる夫人にドキドキしてしまう。何が最悪なのだ!と叫ぶビッテンフェルト中将を宥めつつ後退する。かの人のお陰で彼女と一緒にいれる反面、顔色が悪くなるのは居た堪れない。


「あの人は私の中の一番嫌いな軍人を体現しているのです。」
「そうですか」
「ミッターマイヤー中将は愛妻家ですが其れが一番の長所で最悪の短所。ローエンタール中将は女の敵。」
「手厳しいですね」
「ビッテンフェルト中将に貴方がキルヒアイス大将閣下の爪の垢でも飲ませたい!」
「…」
「いつもありがとうございます」
「いえ」
「ミュラー中将がいないと追いかけっこばかりで仕事ができません」
「いや、その」
「本当にありがとうございます」


そう言って微笑む彼女は本当に可愛らしいと思う。くつくつと笑う彼女もいいがこう言う屈託無く笑う姿もいい。



「ミュラー中将は肖像画は?」
「いえ」
「あまり興味が無いのですよね」
「そんなことは」
「?」
「出来れば」
「はい?」
「貴方のことを描いた絵が欲しいです」
「は?」
「駄目でしょうか?」
「またなんで?」
「あ、貴方の強運にあやかりたいと」
「強運?」
「はい!」
「まあ構いませんが強運?」
「あのオーベルシュタイン大将閣下と結婚する快挙を成し遂げられたのですし」
「ああ!結婚運的な」
「そ、そうです」
「そう言われればそうですね。そう言えば私の絵が欲しいとメイドさんに頼まれたような」
「ははは」
「良いですよ。一番に差し上げます。いつものお礼です」
「ありがとうございます」



そう言えば彼女は屈託無く笑う。
嘘の噂を流してくれたローエンタール中将とミッターマイヤー中将に感謝しながら手を振る彼女を見送るのだった




ミュラー中将の負け戦

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