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変換なしの雑食夢

ran

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死屍累々 7

「あの!」
「ん?」
「私は奥方様の侍女です!」
「え?ああ。如何したの?そんな切羽詰まって」
「お手打ち…覚悟で申し上げます」
「何それ!スゲッ!物騒」
「奥方様に医師を」
「は?え!!奥方様調子悪いの?!」
「一昨日より何も食されていないのです。咳もひどく…でも医師は要らないの一点張りで」
「ちょ、待ってな!刑部さんに言ってやるから!」
「はい」






「暗いのう」
「…あら」
「気がついたか?」
「大谷様?」
「もうちと驚きゃれ。我は主が危篤と聞いて馳せたのよ」
「まあ」
「賢人と太閤も見舞っておった。3日よ。昏睡しておった」
「あらまあ」
「三成も来ておったが」
「大谷様」
「ん?」
「いくら優しい嘘でも嘘はいけませんよ」
「ひひひ」
「五島と睦まじいですか?」
「あれが睦まじいというのならな。あれは子供よ。哀れな子供。己の感情に振り回されておるだけよ」
「また優しい嘘を」
「ちと寝りゃれ。まだ熱が高い」
「…」
「ぬしに看病してもろた恩を介さぬ間に儚くならしゃるな」
「ならば」
「?」
「そこの」
「?」
「行李を」
「5つほどあるが…どれぞ」
「右から、殿下、竹中様、旦那様、刑部様の衣装の直し。左端は皆様の単衣です」
「…また、主のする仕事では」
「侍女を家柄と顔で選んだ弊害ですよ。皆、針仕事が…」
「左様か」
「私が居なくなったら、この部屋の外に控えている侍女に。あの子は上手くしてくれます。全て伝えております」
「主がすれば良い」
「さて、もてばいいのですが」
「これだけ喋れれば、大丈夫、大丈夫。主は体を愛いしゃれ」
「ありがとうございます」
「ぬしの笑みを見るまでは死なせぬよ」
「それはまぁ。無理難題ですね」




そういうと奥方は少しだけ瞬いて「治るまでは見舞いの方にうつすといけませぬ故結構ですとお伝えください」と言って瞳を閉じる。顔色が悪く、息が浅い姿を除けば一寸も変わらない。それは憎らしいまでに




「三成」
「寝たか」
「起きて居る間にいかしゃれ。ちと、まずい」
「まずいものか。あれはずっとあのままだろう。」
「死の凶星がか?」
「は?」
「死に支度をしておる様よ。」
「何を言っている?!」
「ぬしも見舞いしゃれ」






あの日。目の前に座した瞬間から憎からず思っていただろうにとは言ってやったほうがいいのかもしれない。欲を彼女に向けず四散したとて満たされる筈はないと。己の知らぬ彼女を知り、剰え抱きしめた時に起きたその感情こそ嫉妬である事を。

それを知らぬほど主は子供である事を




「出る」
「左様か」
「…悪いのか?」
「運よければ生きれるが、実際綱渡りよ」
「そうか」
「見舞いも看病も要らぬとてなぁ。医師が日に一度参るのみよ。」
「何故だ?!」
「看病の出来ぬものばかりらしい。唯一できるものは、自分がもしもの時にいなければ立ち行かぬからとてな。」
「馬鹿か!此処には数十の侍女が」
「主は奥方以外に衣類を整え、部屋を整え、食事を整えているものを見たことがあるか?」
「…」
「顔と家柄で決めたのがまずかった。と言っても急に召抱えると間者が入る。故に何かあれば奥方していたと、我も今気がついた」
「しかし」
「三成」
「っ」
「我の口は嘘を紡ぐ。しかし、ぬしには紡ぐことは無い。我は今より医師の元へ行く。ぬしもいかしゃれ」










死屍累々 7






今何時かしらと目覚めて初めに思う。随分と寝込んでしまった。食事も喉を通らないほどの病は未だかつてない。困ったと思う反面、これで良かったとも思う。これで色々と解放されるだろう




ただ、障子をあけて月が見たかった。月でも星でも太陽でも。この天井以外の何かが見たかった。


死ぬのが怖いのか?いや、辛いのか?




私にはそれすらわからないし、考えることもできない。





「おい」





声のする方を見る。思わず声が出そうになったものの表情は変わっていないのだろう。舌打ちをされた





「少しは驚け」
「…」
「これは、夢だ」
「ゆ、め?」
「一々黙るな」
「旦那様が夢に立つのですから…いよいよ危ないのですね」
「おい」




そう言って憮然の表情で座るのだ。成る程




「本当に夢の様ですね」

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