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変換なしの雑食夢

ran

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菫色

「奥は半兵衛様の妹君を知っているか?」
「ええ。どちらの姉様でしょうか?」
「私とそう年の変わらない…半兵衛様と同じ白銀の髪と菫色の瞳の」
「でしたら三の姉様ですね。博学であられて私も手解きを受けました。先達ての大阪帰参の折にお会いなさったのですか?」
「そうだ。あの美しいまでに洗練された学識は賞賛に値できる。その上、半兵衛様と同じ剣をお使い遊ばされる様は何ともたとえ難く素晴らしい」
「そうでございますね。三の姉様はお優しくもあられて」
「ああ。私の様な浅慮を窘めて下さった」
「ふふふ」
「少し文を書いてくる。あの方の進軍の手助けをしなければ」
「では硯箱を」
「いやいい。執務室に行ってくる。ここにいる間考えていた草案がいま纏まった。」
「では無理をなさいませぬ様」
「ああ。ではな」





大阪から帰城なさって直ぐにそう仰って執務室に篭ってしまわれた。こうなっては私どころか刑部様ですら休息させるのに一苦労だ。





「帰ってきて早々悲しき限りよな」
「御政務で御座いますれば…御目障りにならない様にしなければいけませんね」
「にしても、度が過ぎよう」
「ふふふ」
「やれ、本来はぬしが怒るところよ」
「いいえ。私が憂うことない様にお心遣い頂いておりますのに」
「やれ、奥」




そう言うと困った様な顔をなさるので私も同じ様な顔をする。その表情は暗に他の女と遊んでいるのに良いのかと窘められている様で私も困る。三の姉様は私が見ても博学で美しくそして御強い。惹かれるのは無理のないことでしょうにと内心思いながら刑部様を嗜める。




「実際問題として。御子が産まれませんでしたら側は必要でございましょう?三の姉様がというわけではありませんが。覚悟はしているのですよ。」
「やれ、奥」
「ご寵愛を失わぬ様に必死な私と三の姉様なれば魅力が違います。」
「またその様な」
「ふふふ。覚悟はいつしていても良いということです。今すぐなのか先なのか。」
「来るか来ぬかもわからぬがなぁ」
「そう、でございますね」
「奥?如何した?」
「いえ何でも。そんな事より刑部様」
「ん?」
「無事の帰城何よりで御座います」






菫色








「奥」
「刑部様はお気づきになったかしら?」
「いえ」
「ならいいの。松。少し横になります」
「では殿にその様にお伝えしておきます」
「いいえいいの。執務室側ではなく私の部屋と言って与えてくださった部屋に床を。邪魔してはなりませんから」
「晩になって気が付かれるとそこから移動するのは些か」
「良いのよ。」
「では直ぐに」

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