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変換なしの雑食夢

ran

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瓶覗色

「刑部」
「やれ、三成」
「奥は?」
「今寝ているらしいが当分は動かぬとの事。」
「そう、か」
「真逆ぬしとて手練た女と処女を同列に扱うとは…子の事は?」
「聞いた」
「…三成」
「なんだ?」
「奥を大阪にもどしゃれ」
「何?!」
「豊臣の後継者として子を成すのが責務よ。」
「故に奥を大阪に戻せと?くだらん」
「しかし太閤の命とすれば如何する」
「…」
「我とて不本意よ。だがよくよく考えならしゃれ」
「私は」
「ん?」
「あの男が私の知らぬ奥を知っているかと思うと…どうすることもできなかった。声、表情。私の知らぬ奥を知っていることに苛立ちを感じた。だが…全ては私の短慮のせいだ」
「…」
「奥には笑っていてもらいたい。普通とは言えないが夫婦としてあの方を幸せにしたい。時をいくら費やしてもいい。私はあの方と共にありたいのだと再認識した」
「左様か」
「例え秀吉様の命としても其れだけは嘆願する。あれ以外いらん。もし離縁するのであれば今後一切誰とも添うつもりはない。側も。私には必要ない。侍女も一新する。」
「あいわかった」
「…怒らんのか?」
「ぬしが決めたことよ。我は従うだけよの」
「すまない」







瓶覗色







「奥方様」
「?」
「殿が来ていますが」
「と、のが」
「如何致しますか?」
「まだ身支度もできていませんので…お許し下さいと」
「では御簾越しでよろしいでしょう」
「梅?!」
「お加減が悪くなるとすぐにお帰り遊ばすとのことですから…いつまでもこのままという訳には参りませんよ」

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