瓶覗色 三成 戦国 長編終 2016年01月07日 「刑部」「やれ、三成」「奥は?」「今寝ているらしいが当分は動かぬとの事。」「そう、か」「真逆ぬしとて手練た女と処女を同列に扱うとは…子の事は?」「聞いた」「…三成」「なんだ?」「奥を大阪にもどしゃれ」「何?!」「豊臣の後継者として子を成すのが責務よ。」「故に奥を大阪に戻せと?くだらん」「しかし太閤の命とすれば如何する」「…」「我とて不本意よ。だがよくよく考えならしゃれ」「私は」「ん?」「あの男が私の知らぬ奥を知っているかと思うと…どうすることもできなかった。声、表情。私の知らぬ奥を知っていることに苛立ちを感じた。だが…全ては私の短慮のせいだ」「…」「奥には笑っていてもらいたい。普通とは言えないが夫婦としてあの方を幸せにしたい。時をいくら費やしてもいい。私はあの方と共にありたいのだと再認識した」「左様か」「例え秀吉様の命としても其れだけは嘆願する。あれ以外いらん。もし離縁するのであれば今後一切誰とも添うつもりはない。側も。私には必要ない。侍女も一新する。」「あいわかった」「…怒らんのか?」「ぬしが決めたことよ。我は従うだけよの」「すまない」瓶覗色「奥方様」「?」「殿が来ていますが」「と、のが」「如何致しますか?」「まだ身支度もできていませんので…お許し下さいと」「では御簾越しでよろしいでしょう」「梅?!」「お加減が悪くなるとすぐにお帰り遊ばすとのことですから…いつまでもこのままという訳には参りませんよ」 PR