濡羽色 三成 戦国 長編終 2016年01月15日 「と、の」「…奥?」「奥はなぁ。手違いで媚薬などを飲んでしまわれたそうよな」「なっ?!」「まぁ思い余っての事故。怒るなおこるな」「貴様!奥に何故その様なものを!!!」「素直になれぬと泣いておりましたもので…では刑部様参りましょう」「そうよな」ぱたりと締められた障子の向こうで人払と叫ばれて途方にくれる。如何しろというのだ。一大事と言われて来た。ある意味、一大事だがこれは困る。先だっても泣かれたばかりなのだ。「御前、様」「っ」「御前様…」「苦しいか?」「ん」「何故飲んだのだ」「御前様に嫌われたくないから」「?」「すごく悲しそうな顔、」「あ、ああ。致し方ない。貴方が気にやむ事ではないのだが」「?」「性急にせずとも」「貴方が他の人のものになるのは嫌です」「は?」「だって」「…奥。以前も言ったが貴方以外の女を呼ぶ事も側に置く事もない」「…」「奥」「私…御前様」「っ」「あつ、い」「ま、待て!?効いてきたのか」「ん。」「う、」「あう…ん。御前、様。くる、しい」「…奥、私にも、限界が」「…」「そんな顔で見ないでくれ。また無理矢理してしまったら」「無理やりでもいい」「な」「泣いていても止めないで」「…」「貴方の妻にさせてくださいませ」潤んだ瞳。紅潮した頬。美しい唇。薬のせいとわかっている。こんなものでこの人を傷つけたくない。「奥」「はい」「この褥の間だけでいい。」「ん」「名で呼んでくれ」「名前?」「そうすればきっと。貴方を優しく抱けるはずだ」「抱いて、下さる?」「ああ」「触れて、下さる?」「止まれないかもしれないが」「それでも良い」「奥」「抱いて下さいませ。貴方を思って苦しいのです」「…」「三成様」「っ」濡羽色 PR