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変換なしの雑食夢

ran

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濡羽色

「と、の」
「…奥?」
「奥はなぁ。手違いで媚薬などを飲んでしまわれたそうよな」
「なっ?!」
「まぁ思い余っての事故。怒るなおこるな」
「貴様!奥に何故その様なものを!!!」
「素直になれぬと泣いておりましたもので…では刑部様参りましょう」
「そうよな」



ぱたりと締められた障子の向こうで人払と叫ばれて途方にくれる。如何しろというのだ。一大事と言われて来た。ある意味、一大事だがこれは困る。先だっても泣かれたばかりなのだ。




「御前、様」
「っ」
「御前様…」
「苦しいか?」
「ん」
「何故飲んだのだ」
「御前様に嫌われたくないから」
「?」
「すごく悲しそうな顔、」
「あ、ああ。致し方ない。貴方が気にやむ事ではないのだが」
「?」
「性急にせずとも」
「貴方が他の人のものになるのは嫌です」
「は?」
「だって」
「…奥。以前も言ったが貴方以外の女を呼ぶ事も側に置く事もない」
「…」
「奥」
「私…御前様」
「っ」
「あつ、い」
「ま、待て!?効いてきたのか」
「ん。」
「う、」
「あう…ん。御前、様。くる、しい」
「…奥、私にも、限界が」
「…」
「そんな顔で見ないでくれ。また無理矢理してしまったら」
「無理やりでもいい」
「な」
「泣いていても止めないで」
「…」
「貴方の妻にさせてくださいませ」




潤んだ瞳。紅潮した頬。美しい唇。薬のせいとわかっている。こんなものでこの人を傷つけたくない。






「奥」
「はい」
「この褥の間だけでいい。」
「ん」
「名で呼んでくれ」
「名前?」
「そうすればきっと。貴方を優しく抱けるはずだ」
「抱いて、下さる?」
「ああ」
「触れて、下さる?」
「止まれないかもしれないが」
「それでも良い」
「奥」
「抱いて下さいませ。貴方を思って苦しいのです」
「…」
「三成様」
「っ」








濡羽色



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